海賊と宝石の歌姫
「妹を助けてくれた方を、簡単には死なせません。私が死守いたします！！」

キクが叫び、セダは後ろを振り返る。そこにあった光景に、アイザックたちは言葉を失っていた。

キクの周りには水でできた手があった。その手の一つには、グレンがセダを撃とうとしていた銃が握られている。

「みなさん、もう隠すことはやめましょう！！今はこの村とカヤ、そして海賊アレスのみなさんを守ることが先です！！」

キクがそう村人に叫ぶ。すると、「わかりました、村長！！」とためらうことなくみんな手から炎や風、雷などを出していく。

「い、一体……」

驚くライリーに、キクが「黙っていて申し訳ありません」と微笑み説明する。

「私たちは、フジ族と言います。フジ族はこのように不思議な力が使えるのです」

キクは説明をした後、不思議な力を持っているとわかっていても勇敢に飛びかかってくる海賊フェニキスの船員の前に立つ。そして、地面から水柱を出した。船員は吹き飛ばされ、木に激突する。
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