海賊と宝石の歌姫
「何をしている!!早く戦え!!俺たちの方が強い!!」

グレンがそう言い、セダに向かって剣を振り下ろす。セダはそれを受け止め、相手に負けじと攻撃を始めた。しかし、すぐにグレンの心の変化を戦い方で見抜く。

「お前、戸惑っているんだろ?まさかカヤ以外にも力が……しかも戦える人間がいるなんて思っていなかったんだろ?」

「だ、黙れ!!」

グレンはセダを睨み付ける。セダは図星だとすぐに見抜いた。敵同士だが、互いの戦法などを見てきている。ここまでグレンが動揺しているのを、セダは初めて見た。

「あんたたち、もう諦めなさいよ!!」

ライリーが船員の振り下ろす剣を受け止め、お腹に蹴りを入れる。その後ろではアイザックが威嚇で銃を発砲していた。

「全く、大した度胸だな」

ゴドフリーが呆れながらも船員たちを殴り、蹴散らしていく。セダは仲間が戦う様子を見て、自分も負けられないとグレンを見つめた。

「絶対、諦められねえ。せめてあの女だけでも……」
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