海賊と宝石の歌姫
「今から行きたいところがある。寄っていいか?」

セダが訊ねると、カヤは嬉しそうに頷く。

「どのような場所か楽しみです」

セダはカヤが喜んでくれるよう願いながら、港街の奥へと進む。それを見ていたライリーたちは「頑張れ、セダ!!」とエールを送るのだった。



「ここは……」

セダがカヤを連れて来たのは、立派な教会だった。セダは何度も見て来ているが、カヤは初めて見るらしく興味深そうに眺めている。

「とても綺麗ですね」

そう微笑むカヤに、「これからもっと綺麗になる」とセダは言った。

「予約してくださった方々ですね!さあ、お召し替えを!!」

教会の扉をセダが開けた刹那、何人もの女性が出てきてセダとカヤを取り囲む。突然のことにカヤは戸惑いを見せていた。

「セダさん、これは一体……」

「大丈夫だ。着替えよう」

別々の部屋に連れて行かれ、セダはタキシードを着せられる。初めて着たタキシードに、セダはますます緊張した。
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