海賊と宝石の歌姫
「奥様、きっとお綺麗ですわ」

女性たちに言われ、セダは祭壇の前に立つ。しばらく待つとカヤが恥ずかしそうに出てきた。

「セダさん……この格好は……」

エンパイアラインの純白のドレスを着たカヤが首を傾げる。ナチュラルなデザインのドレスはカヤによく似合っている。

セダはゆっくりカヤに近づき、カヤのヴェールを優しく下ろす。そして「綺麗だな」と微笑んだ。

「マーレは結婚式発祥の地らしい。今日は、二人きりで式を挙げよう」

「えっ!?」

「俺は、お前にプロポーズした時何も渡せなかったからな。二人の思い出として作っておきたい。……とにかく、お前の晴れ姿を独り占めしたいんだ!!」

恥ずかしくて最後は目をそらしたセダを、カヤはクスクス笑う。

「おい、笑うところか?」

「いえ、セダさんありがとうございます。とても素敵です」

カヤが微笑み、セダは胸を高鳴らせる。やっと結ばれるのだ。

愛を互いに誓い、セダはヴェールをゆっくり上げる。頰を赤く染めるカヤがいた。

「愛してる。必ず、守る」

セダはそう言い、カヤと唇を重ねた。
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