海賊と宝石の歌姫
アイザックはどこか迷っている様子で、あごに手を当てて考え込む。セダはアイザックが言う答えを待っていた。

「アイザック、絶対に言うなよ。それはセダが自分で見つけるべきだぜ」

洗濯物を入れたカゴを手に、ゴドフリーが二人の後ろから声をかける。セダは振り向き、「何でだよ！この前のことは謝っただろ」と口を尖らせる。

ゴドフリーは呆れたように笑う。

「お前の抱いている感情はな、お前が初めて出会った感情だ。その感情はお前に色んなことを教えてくれる。幸せもあるし、痛みだってある。ただーーー」

ゴドフリーは真面目な顔になり、セダを見つめる。

「その想いは時に人を狂わせる。絶対に自分の欲望だけで動くな。何があっても相手を考えろ」

セダはゆっくりと頷く。まだこの感情が何かはわからず、ゴドフリーの話もあまり理解できない。ただ曖昧に頷くしかできないのだ。

「お取り込み中、失礼します」

少し緊張したような声で、水色の花柄のロングワンピースを着たカヤが声をかける。カヤのきれいな声を聞き、セダは嬉しさを感じる。
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