海賊と宝石の歌姫
ライリーは「まあ、あの子の態度じゃわかりにくいよね」と笑う。

「わかりにくい?」

「うん。私はカヤとよく話すからね。あんたからブレスレットをもらったっていうのも聞いたよ」

ライリーは立ち上がり、セダの肩をポンッと叩く。

「あの子ね、あのブレスレットをとても気に入ってる。汚すといけないからって仕事中は外しているんだ」

それを聞いた刹那、セダは嬉しさでいっぱいになる。カヤがブレスレットを付けているのを見たのは一度だけだが、セダの見ていないところで大切にしてくれていると知り、安心した。

「頑張りなさいよ。一緒にいられる時間は限られてる」

そう言い、ライリーは部屋を出て行く。セダは高鳴る胸にそっと触れた。



セダはカヤに前よりも話しかけるようになった。カヤと少しでも話すたびに、セダの中に幸せが生まれる。

しかし、カヤを少し知るたびに別の感情が生まれるのだ。カヤが船員たちと仲良く話していると、イライラしてカヤを自分のものにしたくてたまらなくなる。
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