海賊と宝石の歌姫
逃げる間もなく、少女は海賊に腕を掴まれ捕らえられる。少女は逃げ出そうともがくが、海賊の力には敵わない。

「さっさと来い。お前は貴重な商品だからな。手荒な真似はしたくねぇんだよ!」

海賊は少女を連れて行こうとするが、少女は「放してください!」と抵抗する。

海賊は舌打ちをして、少女のみぞおちを殴った。少女は痛みで意識が朦朧とし始める。

「顔にだけは傷をつけるなよ。傷がついたらお前は海に捨てるからな」

少女が意識を失う寸前、海賊が言った。少女の目には、村で燃え盛る炎が見えた。



翌日、村が襲われたというニュースはその国の人々の間で話題となった。

同情の声が多くあったが、同時に「仕方ない」と言う人もいた。

村を襲ったのは、海賊の中でも恐れられている海賊フェニキスだったからだ。
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