海賊と宝石の歌姫
ライリーはそう言って笑うが、目は全く笑っていない。むしろ怒りが増している。

船員たちは怯えて見て見ぬ振りをするが、セダは怖がることもせずに「何だ?」と訊ねた。

「こっちに来て」

ライリーに腕を掴まれ、セダは広間とは反対の方向へ連れて行かれる。賑やかな声が遠くなり、セダは物置部屋の中へ押し込められた。

「それで?話って何だ?」

セダがそう訊ねると、ライリーはセダにゆっくりと近づく。

「あんた、昨日カヤに手を出したでしょ?」

低い声でライリーが言う。

「何のことだ?」

セダがそう言うと、「とぼけんな!」とライリーは近くにあった壊れた椅子を蹴る。椅子は遠くへ飛ばされ、壁にぶつかった。

「カヤの部屋に行ったら、カヤは泣いていた!カヤはあたしが「何があったの?」って訊いても何も言わなかったけど、首筋にキスマークついていた!!あんた、カヤを無理やり襲ったんでしょ!?」

セダは胸ぐらを掴まれ、ライリーに捲し立てられる。セダはライリーの手を掴み、解いた。
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