海賊と宝石の歌姫
アイザックがそう言い、ゴドフリーも言った。

「お前は知らねえと思うけど、カヤは暴力を振るわれた貴族にお前がやったことと同じようなことをされそうになったんだ。まあ、向こうのはただの欲望だと思うけど」

「お前がカヤに対して愛があったとしても、カヤはお前のことを怖がっているんだ。こうなって当たり前だ」

アイザックとゴドフリーに言われ、セダは自分のしたことを振り返る。カヤが誰かに暴力を振るわれていたことは傷を見てわかった。しかし、そんなことまでされたとは知らなかった。

「好きだったら何をしていいってわけじゃねえよ」

ゴドフリーがセダの肩を掴む。

「好きだったら、相手のことを一番に考えるんだよ。相手が嫌がらないように、傷つかないようにって……」

セダはうつむく。こんなにも傷ついたのは初めてだ。しかし、カヤはきっともっと傷ついているのだろう。セダはギュッと拳を作る。

「……俺は、間違っていた。カヤに謝らないとな」
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