海賊と宝石の歌姫
セダは緊張しながら口を開く。

「カヤ、この間は本当にーーー」

「カヤ、行こう!」

ライリーが突然現れ、カヤの手を掴む。そしてカヤを連れて行ってしまった。

カヤがセダの方を申し訳なさそうにちらりと見る。セダの胸は優しく高鳴った。



カヤは、ライリーに手を引かれながら船を降りる。久しぶりの地面だ。

「人がたくさんいますね」

カヤがそう言うと、ライリーは「港街はこんな感じで賑やかだよ」と笑う。

ライリーはカヤにセダのことを何も話さない。カヤも、セダのことは言わないようにしていた。

「早速買い物に行こうか!何か欲しいものとかある?」

ライリーに訊かれ、カヤは少し考える。そして頰を赤くしながら言った。

「……化粧品を買いたいです」

その刹那、カヤをライリーは思い切り抱きしめる。

「ラ、ライリーさん?」

戸惑うカヤに、ライリーは「カヤ、あなたって本当に可愛い〜!!」と笑う。

「あたし、化粧とかしないけどカヤがするならしてみようかな〜」
< 49 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop