海賊と宝石の歌姫
セダの中に怒りが生まれる。目の前にいるグレンに憎悪が湧き上がってきた。

「カヤはお前の道具ではない!!」

セダは剣を何度もグレンに振り下ろす。そのたびにグレンは剣を受け止め、不敵に笑った。

「……その目だよ……」

グレンの赤い目に輝きが増す。その目はこの戦いを楽しんでいる目だ。

「怒りに満ちたその目……。人が本気を出す瞬間……。滑稽で美しい……。だがな……」

次の瞬間、セダの腕に激痛が走る。セダは痛みのあまりグレンから距離を取った。

左腕に小さなナイフが刺さっている。隙をついてグレンが刺したのだ。

「卑怯者!!」

セダは叫び、来ているコートのポケットから銃を出そうとする。しかし、それよりも早く、グレンが銃を船員に借りてセダの右腕を撃った。

パンッという音とともにセダの右腕が撃たれ、赤い鮮血が飛び散る。セダの手から剣が落ち、グレンはその剣を海に放り投げた。

「これでお前は負けだな。……カヤとか言ったか?お前はもう俺のものだ。おい、俺の部屋に閉じ込めておけ」
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