海賊と宝石の歌姫
赤いリボンを胸元に結び、フリルやレースのついた可愛らしい白のワンピースをカヤは着ている。カヤの髪は編み込みがされ、花の髪飾りがつけられている。化粧もされ、カヤは人形のように見えた。

「……白も似合うんだな」

セダはそう呟き、カヤの頰に触れる。セダが見つめているとカヤの頰は赤く染まった。

「二人とも、早く行かないとデートの時間が減ってくよ?」

ライリーが苦笑し、見つめ合うセダとカヤの背中を軽く押す。セダはハッとし、慌ててカヤの手を取った。

「行くぞ」

「はい。ライリーさん、髪をアレンジしてくれてありがとうございます!」

カヤはライリーに会釈をし、セダとともに船を出る。

二人のデートが始まった。



船から降りた後、セダの隣でカヤはキョロキョロとリエンの港街を眺める。

「この辺りはハナダのような雰囲気がありますね」

そう懐かしむカヤを見て、セダの胸はズキンと痛む。その微笑みがセダにとっては悲しいのだ。しかし、セダは何もないように笑う。

「まあここはもうハナダに近い。ハナダの文化も混じっているだろう」
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