海賊と宝石の歌姫

「お前に似合うと思った。試着しないならここで脱がせようか？」

黒い笑みをセダが浮かべると、カヤは真っ赤な顔をして首を横に振る。

「や、やめてください！着ます！着ますから……！！」

シフォンワンピースは、セダが思っていた通りカヤによく似合っている。セダはすぐに財布を取り出し、シフォンワンピースの代金を支払った。



二人はあちこちの店を見て回り、時計はお昼を告げた。

「そろそろ昼だな」

「お腹すきましたね」

カヤがお腹に手を当てる。セダは辺りを見回すが、カフェなどは見当たらない。

「カフェからは遠くに来てしまったようだな。道を戻るぞ」

セダがカヤの手を引こうとすると、カヤが「あ！少し待っていてもらえませんか？」と恥ずかしそうに顔を赤くする。

「……その……お手洗いに行かせてください……」

恥ずかしそうに言うカヤに、セダはなぜこんなことで恥ずかしがるんだと不思議に思いながらも口を開く。

「別に構わない。トイレならこの道をまっすぐ行ったところにある」