海賊と宝石の歌姫
カヤはたくさん笑ってくれていた。そして、自分からあちこち案内する。そのままどこかへ消えてしまいそうで、セダは何度も手をつなごうとしてはできなくなった。

今まで、何度もキスをしたというのに、今は手をつなぐことさえできない。セダはその理由に目を向けるのが怖かった。

泣いていたライリーも、ゴドフリーも、アイザックも、ハナダのこの村を楽しんでいる。しかし、セダは何度もうつむいてしまうのだ。

そして、暗くなってきたのでセダたちは屋敷へと戻る。宴の用意がすでにできていた。キクが微笑んでセダたちを出迎える。

「すげえ!」

ゴドフリーが目を輝かせる先には、たくさんの料理が並べられていた。全てハナダの料理だ。季節の野菜を使った前菜や、キノコや山菜を使った料理、そして海から離れているのだが貝などの海の幸も並べられていた。

「たくさん食べてください」

カヤもお酒を出したりする。そして、宴が始まった。

「おいしい!」

「うまいな」
< 90 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop