海賊と宝石の歌姫
カヤの手にそっと触れる。カヤはセダを見上げたが、驚くような顔は見せない。むしろ優しい目を向けていた。
セダは何も言わず、カヤの手を握る。カヤも握り返してくれた。
カヤに連れられ、セダがやって来たのは山奥にある城跡だった。
広々としたその土地には、もう立派な建物は残っていない。しかし美しい黄色の花々が咲き乱れ、花畑となっていた。
「綺麗な場所だな」
セダがそう言うと、「ここは私のお気に入りの場所なんです」と言い、カヤはその場に座る。セダも隣に座った。
「幼い頃、この場所を見つけてから嫌なことがあった時などはここに来ていました。また来ることができてよかったです」
「……そうか」
黄色い花を見つめるカヤの横顔に、セダは見とれる。今まで出会ったぢゃ誰よりも美しい横顔だ。否、セダにとってカヤは存在自体が美しい。
「お昼にはまだ早いですし、山の中を案内します」
カヤの言葉に、セダは「迷子になるぞ」と言う。しかし、カヤはセダの手を掴んだ。
セダは何も言わず、カヤの手を握る。カヤも握り返してくれた。
カヤに連れられ、セダがやって来たのは山奥にある城跡だった。
広々としたその土地には、もう立派な建物は残っていない。しかし美しい黄色の花々が咲き乱れ、花畑となっていた。
「綺麗な場所だな」
セダがそう言うと、「ここは私のお気に入りの場所なんです」と言い、カヤはその場に座る。セダも隣に座った。
「幼い頃、この場所を見つけてから嫌なことがあった時などはここに来ていました。また来ることができてよかったです」
「……そうか」
黄色い花を見つめるカヤの横顔に、セダは見とれる。今まで出会ったぢゃ誰よりも美しい横顔だ。否、セダにとってカヤは存在自体が美しい。
「お昼にはまだ早いですし、山の中を案内します」
カヤの言葉に、セダは「迷子になるぞ」と言う。しかし、カヤはセダの手を掴んだ。