海賊と宝石の歌姫
「大丈夫です。こう見えて、山登りが好きでよく探検していたんです」

意外な一面に、セダは目を丸くする。カヤはクスクス笑ってセダを山の中へと連れて行った。

カヤは珍しい植物や昆虫、不思議な伝説などをセダに楽しそうに話す。セダはそれに相槌を打ち、カヤの笑顔を目に焼き付けていく。

古びた神社にセダは案内された。カヤに参拝の仕方を教えてもらい、手を合わせる。

「カヤと一緒にいたい」

セダが願うことはそれ以外に何もなかった。

山を出た後、セダはカヤとまた城跡に戻りお昼を食べることになった。お昼はカヤの手作りだ。

「朝早く起きて準備しました」

カヤはそう言い、風呂敷からお弁当箱を取り出す。木でできたおしゃれなお弁当箱だ。カヤがふたを開けると、たくさんのおいしそうなおかずが姿を見せる。

「おいしそうだな」

セダが微笑むと、カヤは「よかったです」と嬉しそうに笑う。早速セダは卵焼きを口の中に入れる。
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