海賊と宝石の歌姫
ふわりとした甘さが口に広がっていく。セダは口もとを手で覆い、目を輝かせた。

「うまい!」

そう言い、セダはお弁当を食べていく。鮭の入ったおにぎり、味の染み込んだ肉じゃが、ピリッとした辛さのある菜の花のワサビ和え、ジューシーな鶏肉の唐揚げなどたくさんおかずはあるが、どれを口にしてもおいしい。

「うまい!どうしてお前は料理を作るのがうまいんだ?」

セダが目を輝かせながらカヤに言うと、カヤはとても嬉しそうに笑った。

「母から教えてもらったんです。喜んでもらえて、本当に嬉しいです」

カヤが船にいた頃よりも笑ってくれている。セダはその笑顔に我慢できなくなり、カヤの頰を両手で包んだ。

「んっ!」

セダはカヤに何度も唇を落とす。まぶた、頬、おでこ、そして唇に。

「……セダッ……さっ……」

激しくしてしまい、カヤは苦しげに息を吐く。セダは「ごめん」と言いカヤの頭を撫でた。

お弁当を食べ終わり、セダとカヤは話に花を咲かせる。
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