二人の男子に猛アプローチされてます！

「No good！（ダメ！）I ptomise to go see a movie with me from now on（これから俺と映画を観に行く約束をしてるから）」

綾音はため息をつきたくなった。男の子と約束などしていない。

「本当は約束なんてしてないでしょ。綾音、嫌がってるよ」

「兄貴こそ、綾音を困らせてる！さっさとその手を放してどっか行けよ」

「僕のことを、綾音はそんな風には思ってないよ。だって僕と手をつないでる」

「俺なんか抱きしめてるんだぜ！こっちの方がいいはずだ！」

火花を散らしながら、二人の男子は綾音に触れながらケンカを続ける。綾音は音楽に集中することもできず、ただ二人のケンカを聞いている。

「ねえ！綾音はどっちと過ごしたい？」

二人に同時に訊かれ、綾音は「何だこの少女漫画みたいな取り合いは〜！！」と日本語で叫んでいた。



綾音はアメリカにいる間は、ホームステイをすることになった。赤い屋根に、家の前にある大きなポーチや柱が特徴のクラフトマンスタイルの家だ。