あの日の君ともう一度
*
ああ、もう何度繰り返しただろう。
桜色の封筒を手に持ったまま、ポストの前で佇む。手紙を出す、ただそれだけのこと。それだけのことだが、私はそれができないでいる。
しかも炎天下の中。
人は疎ら。でもこの暑さのせいか、誰も気にもしない。
記憶の中朧気に残る少年。
中学三年間一緒だったが、特にこれといって大した会話をした事もない。三年間クラスが一緒だったのに、だ。
誰ともつるまず、いつも遠くを眺めていた。別に仲間外れにされてるわけでも、嫌われてるわけでもない。
不思議な雰囲気がそうさせているのか。
そんな共通点の欠片もない相手だったが、なのにあの日だけは違った。
あの日も、こんな暑い日だった。
桜色の封筒を手に持ったまま、ポストの前で佇む。手紙を出す、ただそれだけのこと。それだけのことだが、私はそれができないでいる。
しかも炎天下の中。
人は疎ら。でもこの暑さのせいか、誰も気にもしない。
記憶の中朧気に残る少年。
中学三年間一緒だったが、特にこれといって大した会話をした事もない。三年間クラスが一緒だったのに、だ。
誰ともつるまず、いつも遠くを眺めていた。別に仲間外れにされてるわけでも、嫌われてるわけでもない。
不思議な雰囲気がそうさせているのか。
そんな共通点の欠片もない相手だったが、なのにあの日だけは違った。
あの日も、こんな暑い日だった。
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