BLACK REFLECTION -月の警告-
もうどうにでもなれ。
ここのネオンを見たときから、汚れる覚悟はしてきたつもりだったけど、それは諦めだったのだと、今さら気付く。
抵抗するのも馬鹿らしくなり、男たちの引っ張っていくまま流されていると、「なんだ、やっぱり“そういうこと”に興味あるんじゃねえか」なんて、随分と見当違いなことを言われる。
……くだらない。
抵抗するのも反抗するのも、肯定するのも。もうどうでもいい。
だけど、せめてファーストキスくらいは、好きな人とがよかったなあ、なんて。
まあ、好きな人いないんだけど。
諦めからなのか、どこまでもくだらない考えが浮かんできて、思わず笑いが漏れてしまった。
私からしたら些細なことだった。本当に“思わず”という感じで、何の意味もなかったのに。
キレやすいおにーさん方は、私が嘲笑ったのだと勘違いしたらしい。
チッと舌打ちをしてから、私の頬を殴った。
「…った……」
「馬鹿にしてんじゃねえぞクソガキが!」