愛染堂市
―――――傭兵



『――ったく、何なんだアノ女?!』


一端にも素人ゲリラ達が、完全にトラックを包囲した途端に撃ち始めやがった。

そこへ持ってきて、バカオンナが余計な面倒を起こしてやがる。


「キャッ!!ちょっとバカオトコ聞いてんの?!」


コッチはコッチで応戦するので手一杯だと言うのに、バカオンナは声を荒げてきやがる。


『ったく、いっそ撃ち殺しちまった方が良かったな・・』


俺は無駄に撃ち続けるだけの素人ゲリラのリロードのタイミングを見計らう。


『ふん、ド素人が』


案の定考え無しに撃ってるゲリラ共のリロードタイミングは重なり、弾雨が止む瞬間が出来る。

俺はその瞬間を逃さすにゲリラ共の一団に手榴弾を投げ込む。

爆風が大きな砂煙を上げ、数人のゲリラが吹き飛ぶ、慌てて態勢を整えようとする他の一団にも、すかさず手榴弾を投げ込む。

そして次の弾雨が始まる前に、バカオンナが叫び続けてるトラック前方へ向かう。


『――ははっデカケツが挟まったか?』


トラックとバンの間で無様な格好をしているバカオンナに、精一杯の労いの嫌味を吐いてやる。


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