愛染堂市
「銃を下ろせ!!」
靖国通り側の入り口の石鳥居の方から、聞き覚えのある声が響く。
俺と奴の目線は石鳥居の真下に奪われる。
撃ち抜かれた左肩に血を滲ませながら腕を垂らし、右手で銃を構える小池の姿がそこにあった。
俺が小池の姿に一瞬安堵したのも束の間、奴は小池目掛けて即座に発砲した。
『小池ぇーーっ!!』
小池は銃口が自分に向いた瞬間に反応し、体を横に避けたが、奴の銃弾を避けきる事は出来ず、左の二の腕あたりを弾かれ、後方へ倒れた。
『くっそ!!』
俺は奴が此方に振り返る前に、激しく地面を蹴り出し奴の懐に飛び込む。
そして奴を後方に弾き飛ばすように突進する。
俺の動作に憎たらしくも奴は気付き、体を逸らす。
奴を弾き飛ばす事は出来なかったが、大勢を崩す事は出来た。
俺はその隙に小池の方へ駆け寄る。
『小池生きてるかっ?!』
「は・・はい、なんとか」
『よしっ銃を寄越せ!!』
息も切れ切れの小池から銃を受け取り、すぐさま奴に銃口を向ける。
『その銃に残弾は無い!!今度こそ無駄な抵抗は止めて、その場に伏せろ!!』