愛染堂市

「中島さん分かってるよねぇ?・・・頼むよ~」



 男はバンの後方で倒れている警察に、そう言ってバンに乗り込んできた。



「どれ・・・行こうか?
・・・分かってると思うけど変な行動起こすなよ
運転するのに危ないから」



 アタシは男の言葉に黙って頷く。

 ホントにアタシは何をやっているんだろう。



「名前は?」



『・・・アサガオ』



「源氏名か?」



『・・・うん』



「ホステス?」



『・・・違う』



「そっか」



 男はそれ以上は何も聞かずに煙草に火を点けた。

 この男は何なんだろう?明らかにヤバイ雰囲気がするのに、話してるとそんな感じがしない。


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