愛染堂市
『・・・さあな、今しがたソレをコチラの毒島刑事に聞こうとしてたんだが、御協力願えなくてな』
俺は少しイヤミに毒島の方を向いて言うと、木村は毒島の方に顔を向け「アンタ確か四課の?」と言った。
毒島は急に火の粉が降りかかってきた事に、迷惑そうな表情で「オイオイ」と呟き、「俺だって今来たばかりだよ」と木村に言った。
『とにかく、俺達はアメリカ人のガラ押さえるだけだったんだが・・・アメリカ人を連れてきた野郎が何とも物騒な奴らでな』
「事務所の方もソイツらの仕業かい?」
『事務所?』
「事務所だよ、国土再生舎の事務所。アッチもその物騒な奴らの仕業か?」
木村の言葉に俺は救急車の中の小池と顔を見合わせる。
「何だよ?アンタらがガサ入ったんだろ?」
『いや、そのつもりだったんだが・・・何せ事務所に入る前に撃ち合いになったし、コイツなんかは建物の中に入る前に非常階段で延びてやがったし』
俺は救急車の中の小池を指差しながら言い、小池は照れ臭そうに手を振った。
「オイオイ、じゃあお前ら事務所の中見てねえのか?」
毒島も木村に追随するように俺達を責め立てる。
『何だよ?事務所ん中がどうかなってんのか?』
木村は俺の言葉に溜め息を吐き、毒島と顔を見合わせ、更にもう一度溜め息を吐く。