愛染堂市
『ヤダだって・・・』
「ヤダって・・・お前、この状況分かってんのかよ!?」
バカオトコは銃口をアドルに向けたまま、顔だけをアタシに向けて怒鳴り散らしす。
『あの子、言い出すと聞かないし』
「ハアッ!?そう言う問題じゃねえだろ!?・・・俺はガキだからって容赦はしねえぞ!!」
『あんな子供までアンタは殺す気?』
「いいかバカオンナ?俺に取ってみれば、ガキかどうかは関係ねえんだよ。ましてやアイツは銃を構えていやがる。殺される前に殺す、それだけの事だ」
『本気で・・・ネェ、本気であんな小さい子まで殺せるの?』
バカオトコはアタシの言葉に苛立ち混じりに大きく溜め息を吐き、呆れ顔で首を傾げる。
「だ~か~ら~・・・ったく、らちが開かねえな。言っても聞かねえようだから、今からガキの頭ブチ抜いてやるから見てろ」
バカオトコはアタシから顔を背け、アタシの後方のアドルの方へと視線を向ける。
そして先程の苛立ち混じりの呆れ顔とはまるで違う、冷たい眼差しの無機質な表情を浮かべる。
背筋を走る痺れるような寒気が、バカオトコが本気なんだとアタシに覚らせる。