愛染堂市
 
 そうだ、俺は今朝中島さんとパトロールに出て。

・・・それで?


「中島さんよぉ!!・・・おっ目ぇ覚ましたのかい?」


この人?確か生安の木村さん?


「片手の女は?」


「アサガオは店に戻ってねぇ・・・消息も掴めねぇ」


片手?アサガオ?

誰だ?


「・・・もう3日も経ってるだろ?」


「あぁ・・・まだペンキ屋と一緒か・・・あるいは」


中島さん、何の話だ?何で生安の木村さんと?

ペンキ屋?

ペンキ屋って誰だ?


 奴は?

あのデカいバンに乗った男は?アイツはどうしたんだ中島さん?


「・・・朱美さん、悪いが、俺達はこれから行くとこがある・・・若造も意識が戻ったんだ。アンタも3日も付きっきりだ、少しは休んだ方がいいだろ・・・」


「・・・はい」


3日?

俺は3日も寝てたのか?


「悪いが若造、俺はペンキ屋を追う。お前はゆっくりと休め」


『ぺ・・ペンキ屋』


喉に弁でも出来たみたいに、言葉を吐き出すのに苦労する。

そして僅かに口を動かしただけなのに、頬に焼けたような痛みを感じる。


「耕太っ?!」


痛みに顔を歪める俺に、朱美が驚きながら呼び掛ける。

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