あなたしかいらない
陽芽の過去
なんで…ここにいるの…?
「久しぶりじゃねぇーかよ陽芽ぇ。」
兄妹だからか、少し似た口調。
…あの頃から何一つ変わっていない証拠だ。
「んな顔すンなよォ。幼なじみと久々の再会なんだからよッ!」
昂佑くんは妙なほどに騒いでるけど…
そんなテンションあげらんないし…
「……」
「…チッ…」
昂佑くんは、軽く舌打ちをした。
やっぱり…
変わって…ない…。
「まぁまぁあの事はもう忘れてェ。これからまた仲良くやろーぜェ。」
昂佑くんは、私の肩に触った。
一瞬にして、鳥肌がたった。
「やっ…」
私はそのまま昂佑くんの腕を振り払って、何処かへ走っていった。
───怖い…
あの頃と
同じ──