あなたしかいらない
「ごめんなァ遅くなってェ。」
…昂佑くん1人じゃない…。
他に4人も男の人がいる…
あれ?
視聴覚室にした理由って…
“誰にも聞かれないように”じゃなかったっけ…?
どーして…?
なんで他に4人も男の人がいるの…?
「へぇ〜かなりカワイイじゃん♪」
「でかした昂佑♪」
「うっわ♪オレ、チョー好みなんだけど♪」
「へぇ〜♪かなりの上玉じゃん」
4人の男は私を舐め回すように見た。
…なんだろう…
嫌な…予感がする…
信じて…いいんだよね…?
そんな気持ちは、昂佑くんの隣にいた人の一言で、崩れ落ちていった。
「なぁ昂佑〜このコ、マジでヤッちゃっていいワケ?」
「あぁ。」
え…?
ヤるって…
もしかして私…今、ヤバい状況なの…?
でも…昂佑くんいるし…
でも…さっき『ああ。』って…
言った…?
「まぁまぁ陽芽ェ♪そんな顔しないでオレらと楽しいことしよォぜェ?」
──こわい…!
逃げなきゃ…!