あなたしかいらない
「陽芽ちゃん!?」
え…
この声は
織───?
「なんで…いるの…?」
「あ?誰だこの女」
「あ ヤベ…オレの妹だわ。」
「はぁ?お前来ないよーに仕向けたんじゃなかったのかよ?」
「そォーだったはずだけど…」
「帰りは陽芽ちゃんと帰ろぉとしたの!!でもなかなか来なくて…心配になって来てみたら…
何してんのお兄ちゃん!?陽芽ちゃん嫌がってんぢゃん!!」
「うるっせェーなァ…お前それ以上近付いたら織も同じことするぞ!」
昂佑くんが言い終わると、織は叫んだ。
「せんせぇ━━━!助けて━━!女子生徒が襲われていま━━す!!!」
「なッ…」
「…っ…逃げるぞ!」
男らは、次々に昇降口に走っていった。
「チッ…クソアマ…」
「もーちょっとでヤれたのに…」
そして昂佑くんまでもが
「チッ…っざけんなよ織のヤツ…邪魔しやがって…」
優しかった面影もなく、舌打ちをして逃げて行った。