あなたしかいらない



「…お兄ちゃんたち…行ったね…」



「ありがとう織…」


「ん?」


「助けてくれて…本当にありがとう。」


織が来てくれなかったら…今頃どーなっていたか…


「お礼なんていぃよ。当然のことをしたまでだもん。だって友達でしょ?」


その時私は、涙腺が切れたかのように涙が出た。


「ひっ…ぐ…」


「ひっ…陽芽ちゃん!?」


「織ぃいぃ〜ズビッこっ…ヒックこわ…かっ…たよ〜!!ック」


「陽芽ちゃん…」




男の人の運は悪くても

友達の運は

スッゴクいいんだと
この時思った。


「織ぃ〜ヒックありがとう〜」


「ハイハイ。」



それから私と織はこれまで以上に仲良くなって…

私は昂佑くんと話さないようになった。




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