あなたしかいらない
ヒントみたいなのがあったら
探しやすいのになぁー…
そんな私の考えを悟ったかのように
千里兄は言った。
「そんなこともあろうかと、陽芽に朗報を持ってきたよ」
「えッ!?」
朗報!?
「なんかな、
犯人らしき人を見たって人いるらしいぜ」
「それ本当なの!?」
「ん?あぁ。」
「だっ…誰が見たの!?」
「通りすがりの人。たしか…山田さんとか言ったっけ」
「山田さんね!!」
「あっ!おい…」
私は、千里兄の話を最後まで聞かずに
家に向かって走った。