あなたしかいらない
私は家に上がり、リビングへと向かった。
リビングに行くまでの間は、
「お帰りなさいませ、陽芽お嬢様」
という声が飛び交っていた。
──リビングに着いた。
私はリビングのドアを開けた。
「お父さんッ!」
そこには、お父さんがいた(いや、いないとおかしいけど)。
笑顔だった。
「おお!陽芽じゃないか!
どうかしたか?なんかの相談か?」
「あの…お父さん、
ここら辺に住んでる人で、『山田さん』っていう人いる?」
私は、勇気を出して聞いてみた。
「山田さん??」
…え?
いるんじゃないの?
「…いるんだよね?」
「いや?全然聞いたことがないぞ。」
え?
聞いたことがないって
どーゆーこと?
目撃者なんじゃないの?