あなたしかいらない



「…は?

山田って奴が犯人を見たって陽芽に言った…?」



「あぁ。」



こいつ…


どんだけ性格わりぃんだよ…



しかも陽芽は


存在もしない答えを探しに行ったとか…



そう思うと、なんか…スッゲムカついてきた…



俺は、及川を殴ろうとした。



バシッ…


「熱、上がるぞ」


俺の拳は、呆気なく及川に止められた。



いやもう上がってますから…


「っつか犯人なんてもう俺は知ってるし…
これ以上陽芽に何かしたら
陽芽に本当のこと教えるぞ」



「…教えれば?」



………は?



「教えたければ教えろよ。」



及川の上から目線な態度に俺はまたムカついた。



「…っ…」


「行きゃぁーいいだろ」



ダメだ


イライラする



「あぁ言ってやるよ!全部陽芽に言ってやるよ!」



俺は、及川に一言言ったあと、陽芽の家に向かった。


熱のことも


けがのことも忘れて。




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