あなたしかいらない



その時──




ガタンッ


入り口の方から物音が聞こえた。



…今の…見たよね…



そう思いながら入り口の方を見てみた。




「……隼人くん…」


そこにいたのは隼人くんだった。


「──っ…」



どうしよう


今の見られたよね!?


どうしよう

誤解されたらどうしよう…


そう思っていたら、隼人くんは病院を走って出て行った。



「あ…隼人くんっ!」


私は隼人くんを追いかけようとした。


「待てよ!」


だけど、千里兄に後ろから抱き締められてて、前へ進めない。


「千里兄放して!
隼人くんを追いかけなきゃ…」


「…行くなよ…」



…千里兄?





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