あなたしかいらない



私は、体を千里兄の方に向けた。


「好きになってくれてありがとう…だけど、ごめんなさい。
私は隼人くんのことが好きです。」


「…陽芽…」





これで、この恋は終わりを告げたんだ──。




「…本当にアイツが好きなんだな…」



「え?なに?」


ボソッて言ったから、私は聞こえなかった。


まぁいいや


「…陽芽
オレ、陽芽に謝らなきゃいけないことがある。」


「『謝らなきゃいけないこと』…?」


「…高島を撃ったの、オレなんだ」




「えっ…」



隼人くんを撃ったのは…



千里兄…?



うそ…




うそ…でしょう…?



「記憶喪失にしたのもオレだ」



うそ…うそ…



頭がうまく回転しないよ



「高島は…催眠術で記憶喪失になったんだ」




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