あなたしかいらない
「…ったく…陽芽はアイツにあんなに惚れられてるんだからもっと自分に自信もてよ」
「…自信…?」
自分に自信なんてもてないよ…
「コラ」
「ぅわっ」
千里兄は、私の頬を軽くつねった。
「陽芽は笑ってたほうがいいんだから。
高島の記憶が戻った時、笑顔のほうがいいだろ。」
そっか…
「…そうだね!」
隼人くん見つけて
記憶を取り戻す
不安なんてないように
ずっと笑顔でいられるように───。
千里兄は、電車から見える景色を見ながら言った。
「あ 着いたな」
「藤城学園前─藤城学園前──」
隼人くん…いるかな…