あなたしかいらない



隼人くん…いた…



いた…!



私は、疲れているのも忘れて、隼人くんのところまで走って抱きついた。



「わっ…陽芽…?」


「心配…した…」



「陽芽…」



隼人くんは、私の頭を撫でた。


とても安心する、大きな手。



私は、ふと犯人のことを思い出した。


隼人くんにまだ言ってない…


私は隼人くんを抱き締めたまま言った。


「…隼人くん…あのね、犯人、千里兄だった。」


私は続けた。


「記憶は催眠術で操ってたんだって」



隼人くん…驚いた…かな?



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