あなたしかいらない
「…全部本当のことだけど…
陽芽に言わなかったのは、それで記憶を戻しても…なんか納得いかなかった。
…陽芽が俺のこと、記憶を失っても好きかなって…
試すようなことしてゴメン。」
見るからに隼人くんの顔は赤くて
「俺…カッコワリィな」
それが
とても愛しくて
「…──っ…?」
私から、隼人くんの唇に自分の唇を重ねてしまった。
そして、唇が離れた時…
やっと私は我に返った。
「あっ…」
私…自分から…
途端に顔が真っ赤になった。
あ゙〜…私、何してんだろ…
恥ずかしい…
…でも
ちゃんと言っておかなきゃいけないことがある。
「…隼人くん…」
「ん?怒った?」
「…バカ…だなぁ…
出会った時から、ずっと隼人くんのことだけを見てたのに…」
「え?陽芽それって…」
私は、少し慌てる隼人くんに、優しく微笑んだ。
「だから、出会った時から隼人くんしか見てないんだから…変な心配しなくても大丈夫なの!」