あなたしかいらない



「…全部本当のことだけど…
陽芽に言わなかったのは、それで記憶を戻しても…なんか納得いかなかった。
…陽芽が俺のこと、記憶を失っても好きかなって…

試すようなことしてゴメン。」


見るからに隼人くんの顔は赤くて



「俺…カッコワリィな」


それが

とても愛しくて



「…──っ…?」



私から、隼人くんの唇に自分の唇を重ねてしまった。

そして、唇が離れた時…


やっと私は我に返った。



「あっ…」


私…自分から…


途端に顔が真っ赤になった。


あ゙〜…私、何してんだろ…


恥ずかしい…


…でも


ちゃんと言っておかなきゃいけないことがある。



「…隼人くん…」


「ん?怒った?」


「…バカ…だなぁ…
出会った時から、ずっと隼人くんのことだけを見てたのに…」


「え?陽芽それって…」


私は、少し慌てる隼人くんに、優しく微笑んだ。

「だから、出会った時から隼人くんしか見てないんだから…変な心配しなくても大丈夫なの!」



< 187 / 216 >

この作品をシェア

pagetop