あなたしかいらない
「戻していいんだな?
んじゃ戻すぞ
ちょっと座ってろ高島」
そういうと千里は、軽く指を鳴らした。
パチンッ…
すると、隼人くんは目を閉じた。
「は…隼人くーん…?」
呼んでみたけど、全然動かない。
「そいつ、眠らしといたから。
起きた時には記憶戻ってるから安心しろ」
眠ってる…だけ…
なんか…安心した…
「んじゃ、邪魔者は退散するわ。そいつが起きたら病院戻ってこいよ〜」
「う…うん」
私がそう言うと、千里兄は片手で手を振り、屋上のドアを閉めた。