あなたしかいらない
コンコン、と外側からドアが叩かれた。
「高島様ー、式のお時間です」
「あれ、もう10分経っちゃったか」
少し惜しむように私から離れた。
そして、私に手を差し伸べた。
「行こう。お姫様」
「はい……王子様♪」
………なんだこのバカップル。
たぶん、ドア越しに聞いていた人は、こう思っただろうな。
そして、隼人くんは私の手を引いて式場へと向かった。
やがて式が始まり、誓いの言葉を言うシーン。
ふと、子供の頃から憧れてたな、と思い出す私。
「生涯、愛し抜くことを誓いますか。」
「誓います」
「誓います」