あなたしかいらない



「陽芽」


耳元で名前を呼ばれ、ビクッとしてしまった私。


あ……どうしよう


隼人くん、怯えてるって思っちゃったかも……



「無理、しなくて…いいよ」


やっぱりそう思われた!?


「っちがっ…」

「だって、まだ陽芽
怖いでしょ?」


「………っ」


何も言えない。


だって、さっきまでそう思っていたんだから。



「大丈夫だよ、焦んなくて。
俺達は俺達のペースで進めばいーんだからさ。」


そう言いながら隼人くんは、私の頭を撫でる。



「でもっ……」


「俺はさ?
陽芽が、一番大事だから……
陽芽が完全に俺としたいって思うまで、俺は待つから」


「隼人……くん……」



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