あなたしかいらない



やがて、朝が来た。




「おはよう、陽芽」


ニコッと、ハニカミながら言ってくれた隼人くんに、



「あ……おはよ」



ちょっと戸惑い気味で、うつむいてしまった私。



「陽芽
上向いて」


「へ?」



上を見上げたら、隼人くんからの…“おはようのキス”。


そういえば、憧れてるんだって言って…話したこともあったっけ。


覚えてて……くれたんだ



「ね、隼人くん」



「ん?」



「私達、おばあちゃんとおじいちゃんになっても…ずーっと…ふたりで一緒にいようね!!約束!」



隼人くんに、自分の小指を立てて、“指切りげんまん”を誘う私。



「えー…
やだ」



ええっ!?



< 214 / 216 >

この作品をシェア

pagetop