あなたしかいらない



「なんか…すげぇよなー…」



「なにが?」


この時の私は、隼人くんの言ってる意味が

よくわからなかった。



「だってさ?いつも車の陽芽が、今日に限って少し遅れて電車に乗らなかったら、俺たち出会わなかったわけじゃん?」



「…うん。今日はー…車がラクガキされてて電車で行くことにしたの。」



たしかに、

ラクガキされてなかったら


隼人くんに出会ってなかった。



なんか…


逆に

ラクガキした人に感謝だな…



「それに…俺も、いつもならもう1つ早い電車にのるんだけど、今日は寝坊しちゃって…1つ遅れの電車にしたんだ。」



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