あなたしかいらない
「…やっぱ陽芽は、笑ってる時が一番カワイイな!」
「えぇえっ!?」
いっ…いきなり…
『カワイイ』
なんて…(照)
私は、顔が赤くなったことがわかったから、下を向いてしまった。
「なんだよ〜!笑った顔、もっと見せてよ♪」
隼人くんが私の顔を覗きこんだ。
「ぅわっ!?」
気づけば、10センチもない──。
「うわっ!!ご……ごめんっ!!」
その時、10センチもなかった距離が
あっという間に離れていった──。
なんか…すごい…残念だった。
「…謝んないでよ…」
その時、自然に口から言葉が出た。
「…え?」