あなたしかいらない




「そっか…よかった。千里兄…隼人くんは?」



「あぁ…高島ならここにいる。………けど」



シャッ


私は、千里兄の話を最後まで聞かずにベッドのカーテンを開けた。



「隼人くん!」



よかった…隼人くん、元気そう。



「隼人く…」



「キミ…誰?」





え………?





何を……



言ってるの…?





「隼人くん…?」





「彼は…ここ1年の記憶が……何故かすっぽり抜けてるんだよ。」





「え……?」




記憶喪失ってこと…?




1年…って言ったら…



私のことも…



「…だから…陽芽の記憶は一切ない。」





───嘘でしょう……?






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