あなたしかいらない
「あ」
「どーした?」
「そーいえば…なんで記憶を喪ったか知らなかった…」
っていうか…別に頭打ったわけでもないのに…なんで記憶喪失になったんだろ?
「じゃあ、それを調べることからだな!」
千里兄は、笑顔で言った。
「うん!私、お医者様に理由、聞いてくるよ!」
私は、それを千里兄に言ってから、医師がいるほうに小走りで行った。
「……オレ…お人好しすぎ…か?」
千里は、その場にへたりこんで、
「……オレじゃ、勝ち目ねぇーよな…」
悔しそうに言ったあと、深いため息をついた。
「…あの…」
「陽っ……
なんだよお前かよ。高島」
隼人は、千里の目の前まできた。