緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「そうですね…。
自分の身ならまだしも、他の人を守ろうとするのは一段と難しいんですよ。
歩けなくなるまで飲む愚かな女性を、まずは叱るべきですね」

…う。わざわざ私の方を向いて言わなくてもいいでしょ。
お酒の量に関しては、反省したんだから。

「それでも、体を張りたいというのなら、いつでも私のところに来てください。交番にてレクチャーしますよ」

はい?
交番でって、そういう面倒事は極力避けるタイプじゃん。

「ぜひ!
次に絡まれたときには退治したいですから!」

あっれー。
なにこの状況。
すっごい違和感あるんだけど。

「で、では、今日の講話は以上ということで、蒼井さんありがとうございました」

少し強引かもしれないけど、慌てて講話を終わらせて、壇上から蒼井さんを降ろした。

「いつから淳ちゃんと仲良くなったんですか。
あんなにやり合って」

「仲良くなってなんかないよ。
悪いけど、このあとすぐに戻らなきゃいけないんだ。話はまたあとで」

「え、ちょっと…」

こういうときに限って忙しいのか。
もう…。
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