緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
荷物を運び終え、ちょうど客室から戻ってきた咲さんをすぐさま捕まえた。

「今の人は…?」

「古賀ちえみ様。警視総監の娘よ。
見た通り、かなりきっつい性格してんのよね。
昔から楓馬様に対してもあの調子だから毛嫌いされてるんだけど、それをわかっててこうやって定期的に来るのよね。
楓馬様をからかうのが楽しいみたい」

「警視総監の娘!?
そんな人がなんで楓馬君のところに来るんですか?」

交番に勤める警察官からしたら、警視総監なんてきっと遥か上の存在。
関わることもなさそうなのに、その娘さんがこうやって訪ねてくるってことは、家の繋がりでもあるのかな。

「もう随分と前から知り合いみたいよ。
どうにも相性が悪いみたいで、楓馬様もたじたじって感じね」

あの楓馬君がたじたじだなんて、ちょっと想像できない。
これは一目でいいから見てみたい。
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