緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
扉の前で、帰れ、帰らない、と言い合って揉めているよう。
ちらりと廊下の角から顔をのぞかせてみると、ちえみ様はステッキを振り回して、帰るまいと対抗している。
そんなステッキを、持ち前の反射神経でつかんだ楓馬君は、そのまま力任せに引っ張って部屋の外に連れ出している。
「いや!今すぐ離しなさいよ!」
「お前こそ早く帰れ!」
これは、まずい。
そう思った私たちは顔を見合わせ…、うん、と頷いた。
遠くに神谷さんが向かってきているのが見える。
決定。
神谷さんが来てくれたなら私たちに出番はない。
これは、見て見ぬ振りが正解だ。
ちらりと廊下の角から顔をのぞかせてみると、ちえみ様はステッキを振り回して、帰るまいと対抗している。
そんなステッキを、持ち前の反射神経でつかんだ楓馬君は、そのまま力任せに引っ張って部屋の外に連れ出している。
「いや!今すぐ離しなさいよ!」
「お前こそ早く帰れ!」
これは、まずい。
そう思った私たちは顔を見合わせ…、うん、と頷いた。
遠くに神谷さんが向かってきているのが見える。
決定。
神谷さんが来てくれたなら私たちに出番はない。
これは、見て見ぬ振りが正解だ。