緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
2)逃げ出す場所
いやー、疲れた。
今日も今日とて、教授は絶好調だな。
来週までに論文10本読んでくるって、睡眠時間をどれだけ削ったらいいのよ。
そんなことを心の内でぼやきながらゼミ室を後にした。
ちょうどそのときだった。
「あの屋敷に入り浸って、何企んでんの?」
いきなり目の前に突き付けられたステッキ。
ゆっくりとその線を辿っていくと、持ち主の鋭い眼光と向き合うことになった。
心の準備をする時間もくれないんだ。
でも、ここまでくると、唐突な押しかけにすら慣れてきてる自分に気が付く。
最近こんなのばっかりだ。
「古賀ちえみさん、ですよね。
私は、囚われてるだけですよ、あの蒼井楓馬に」
「ふーん」
ステッキを戻すと、私の周りをゆっくり一周する。
値踏みするような目で、上から下までじっくり観察される。
今日も今日とて、教授は絶好調だな。
来週までに論文10本読んでくるって、睡眠時間をどれだけ削ったらいいのよ。
そんなことを心の内でぼやきながらゼミ室を後にした。
ちょうどそのときだった。
「あの屋敷に入り浸って、何企んでんの?」
いきなり目の前に突き付けられたステッキ。
ゆっくりとその線を辿っていくと、持ち主の鋭い眼光と向き合うことになった。
心の準備をする時間もくれないんだ。
でも、ここまでくると、唐突な押しかけにすら慣れてきてる自分に気が付く。
最近こんなのばっかりだ。
「古賀ちえみさん、ですよね。
私は、囚われてるだけですよ、あの蒼井楓馬に」
「ふーん」
ステッキを戻すと、私の周りをゆっくり一周する。
値踏みするような目で、上から下までじっくり観察される。